日本社会科教育学会編:社会科教育と災害?防災学習——東日本大震災に社会科はどう向き合うか

摘要

東日本大震災から,すでに7年余り経っているが,社会科教育界でもこの大震災に関する経験をどう認識したらょいか,児童生徒に向かう上でどのょうに授業のヒントにできるだろうか,などといった観点からさまざまな努力が積み重ねられてきた.本書は,日本社会科教育学会の中に設置された震災対応特別委員会が,この課題に積極的に対処してきた経緯とともに,2013~2016年にかけての福島県や岩手県での現地調査や学会大会時における課題研究 「被災地復興に社会科はどう向き合うか」(2015)や 「東日本大震災の経験をどのょうに授業に活かすか」 (2016 ? 2017)などの成果も盛り込まれている.なお,震災対応特別委員会の委員長として尽力された池俊介,初澤敏生両氏並びに現?日本社会科教育学会長である井田仁康氏,親筆者の中の何名かは日本地理学会や日本地理教育学会会員であり,地理学が社会科教育界ヘ大きな貢献を果たしたことが読み取れる.さっそぐ本書の構成を紹介しょう.