微小磁界重畳法による市販NMR磁力計の検出性能の一推定法

摘要

一般に測定の対象とされている磁界は，人体から生じる数pT以下の超低磁界から，パルス磁界や超電導磁石などによる数10Tの超高磁界まで広範囲に及hでいる．このうち，精密測定の対象となる磁界は，永久磁石，電磁石などを用いて発生させた3T～数10 mT程度の範囲と考えてよく，この領域における磁界標準の確立には，通常，核磁気共鳴（Nuclear Magnetic Resonance：以下，NMRと略す）の原理による磁力計が用いられる．NMRによれば磁界の測定を周波数の測定に置き換えることができ，比較的容易に小さな不確かさで測定を行うことができる．NMRを使った測定に影響を及ぼす要因として（1） 周波数の測定に関する不確かさ（2） NMR試料の自然幅（3） 磁界発生器の磁界均一性及び安定度（4） NMR磁力計の感度