小型無人飛行機を用いた無線中継システムの実験報告－上位層プロトコルによる特性評価

摘要

本稿では、2013年7月に宮城県仙台市内で実施した小型無人飛行機を用いた無線中継システムの実証実証実験について述べている。本実証実験では、仙台市内に設置した地上局からテキスト伝送、映像伝送のアプリケーションが動作可能であることを確認するとともに、上位層プロトコル（UDP／TCP／ICMP）の性能評価を行い、スループット、パケットロス率、遅延時間を評価している。実証実験の結果、UDPのスループットがTCPの10倍を達成できることを明らかにし、UDPの伝送遅延時間は100msec程度、ICMPでは往復時間が600msec程度であることがわかった。これらの結果から、通信リンクが動的に変化するような通信路の場合にはUDPが小型無人飛行機を用いた無線中継システムに適していると考えられ、上位層プロトコルの選択、パラメータの最適化が必要であることを述べる。