非対称結合線路を用いた広帯域バランの研究

摘要

差動アンテナに内蔵するバランは通常近傍に接地がないため、単一の結合線路でもCモードの伝搬が抑制されバランの特性が得られる。またブロードサイド結合線路を用いた0.6GHz～8.0GHzという広い帯域バランも報告されて．いる。本研究では帯域上限周波数の向上を図り、結合線路長の短縮とともに、ブロードサイド結合線路を同一の層に移すビアパッドの構造を検討した。パッド同士を上下で重ね合わせることにより容量を付加することでパッドのインピーダンスを50Ωに近づけることにより改善を図った。この構造のバランを試作評価し、実測値で挿入損失2dB以下の帯域が1.0GHz～12.0GHzという高域で動作する広帯域バランを開発した。