NEDO(国立研究開発法人新エネルギー·産業技術総合開発機構)は,波力発電の発電単価,40円/kWhを目標とした装置の開発目標を示し,これを実証することにより,我が国における波力発電技術の復活と国内外に向けた装置の普及·展開を推進している。そのような背景の中,著者らは日本で30年以上の研究実績がある振動水柱型垂気夕ービン方式(Oscillating Water Column:以下OWC)に着目した。研究では発電装置の高性能化(エネルギー変換効率の向上)を図る新たな対策として,プロジェクティングウォール(Projecting Wall以下PW)(図-1)と衝動タービン(図-3)を採用した。また,本発電装置は既存の防波堤,護岸などを利用して後付けでユニットを設置することで,建造費を抑えることができる。本稿では,2011年から2015年度まで実施した研究成果として,水槽実験(PW関連),室内試験(タービン),酒田港内の護岸の消波護岸(有孔ケーソン)を活用した実海域実証実験を通して得られた知見について述べる。
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