脱炭素モデルタウン構築の取組み

摘要

蓄電池や分散電源が，まちづくりの計画や運用において重要視されるようになった契機は,言うまでもなく東日本大震災である。以来，多くの建物で発電機を増設し,自己電源比率を高め，BCPへの備えを謳った。さらに,スマートコミュニティと呼ばれるまちづくりでも，再生可能エネルギーの地産地消や電気自動車普及をにらhだインフラ活用など，蓄電池や分散電源の活用シーンはますます多様化し，それらへの期待は高まっている。2016年，当社では2050年の脱炭素社会実現に向けて,2020年の実現を目指した“脱炭素モデルタウン構築”への取組みを開始した。脱炭素化の鍵を握るのは，オンサイトやオフサイトの再生可能エネルギーを大量に，かつ,適正に活用するマネジメントである。これを実現するのが，当社が独自開発したスマートエネルギーマネジメントシステムI.SEM(アイセム）である。本稿では，まちづくりの視点から蓄電池と分散型電源の活用を捉えた事例として，独自開発のI.SEMの概要と，それをコア技術として実施している脱炭素モデルタウン構築に向けた技術実証について紹介する。