Thermal Well Casing Connection Evaluation Protocol （TWCCEP）に準拠した高温地熱坑井用ケーシングパイプについて

摘要

最近の活発な地熱開発の中で、ケーシングパイプの腐食·スケール問題は大きなテーアであるが、パイプの圧壊の問題もそのデーアのひとつである。圧壊とはケーシングの外面に働く力によるもので、管自体は耐圧壊値として外径·肉厚·グレード毎にその特性値を持っている。しかしこの値は無軸力下での数値であるので、引張応力下では円周方向圧縮応力が働き圧壊値は下がる。そして実際の坑口開閉等で起こる温度変化によるケーシングの伸びは石油·ガス井以上に大きく無視出来ない。また、この圧壊はケーシング全長が一様に伸びることよりも、ケーシング全長にわたる均一なセメンチングの難しさが起因するセメント不良箇所やトラップされた泥水溜り部等での局部的な外圧や伸びによるものが問題となる。更に高温岩体やガスを多く含hだ熱源、そして酸性井などに対しては、環境による腐食問題に加え、より大きな温度変化が想定されるため破壊形態はより複雑になることが予想される。以上の事から、使用される継手ねじの信頼性が益々重要となり、これまでの石油·ガスに適用された評価試験方法（ISO13679）ではなく高温下での特性評価に適した“Thermal Well Casing Connection Evaluation Protocol（TWCCEP）”に準拠した試験が行われてきているので、その内容と実例を紹介する。