WRCラリーにおけるエンジン技術

摘要

三菱自動車のラリー活動の歴史は古く，海外ラリーとしてはグループ2,4時代の1967年サザンクロスラリーヘコルト1000Fで初参戦したのを皮切りに，1970年代のギャラン，ランサーGSR，1980年代初頭のランサーEXで参戦を続け好成績を収めた。また，1980年代半ばにはグループBクラスのスタリオン4WDで参戦。そして，近代ラリーの幕開けとなる1988年ギャランVR-4 Gr.Aラリー車（4G63 DOHC I/C〔インタークーラ〕T/C〔ターボチャージャ〕エンジン搭載）でイギリスRACラリー参戦以降，今日に至っている。この間，1996～1999年ドライバーズ選手権獲得，1998年にはマニュファクチャラー選手権獲得など常に激しい上位争いを演じてきた。 本稿では，主に近代ラリーの歴史に沿って，4G63 DOHC I/C T/Cラリー仕様エンジンの概要についで紹介する。