ヘテロジーニアスネットワークにおける実数値遺伝的アルゴリズムを用いたトラヒック分散方式

摘要

近年のトラヒックの急増に対し，ヘテロジーニアスネットワーク（Heterogeneousnetworks，HetNets）において複数のネットワークを利用しトラヒックを処理することができればユーザスループットの改善が期待できる．著者らはマクロセルとマイクロセルの基地局負荷情報や信号品質情報が含まれるマップ情報を用いて，トラヒックを分散処理する方法を提案していた．しかし，必ずしもマップ情報の基地局負荷情報とトラヒックの生起は一致しない．そこで，ヒューリスティック手法を用いてマクロセルとマイクロセルに対してどのくらいの割合でトラヒックを処理するかを決定することで，ユーザスループットのさらなる改善ができると考えた．本稿ではヒューリスティック手法として実数値遺伝的アルゴリズム（Real-coded genetic algorithm，RCGA）を使用したトラヒック分散率の決定方法を提案する．計算機シミュレーションにより，平均ユーザスループットを50%程度改善できることを示し，その有効性を明らかにする．