太陽光発電の最新動向：世界の太陽光発電普及施策とマーケット状況①：世界の動向

摘要

2004年は、太陽光発電マーケット史上記念すべき年となった。 太陽光発電システムの世界需要拡大に支えられて、2004年の太陽電池世界生産量は1,000MW=1GWを突破した。 1997年に史上初めて太陽電池生産量が100MWを超え、その後わずか7年でその10倍の1GW時代が幕を開けた。 100MW時代への到達に20年以上の年月を費やしたが、1GW時代をその後の7年間で実現した背景には、日米欧による太陽光発電普及のための各種の施策や支援体制が強力な原動力となっている。日米独の2004年での太陽光発電システム累積導入量は、国際エネルギー機関(IEA)の調査結果によると、日本1,132MW、ドイツ794MW、アメリカ365MWとなり、日本は世界で初めて1GWの導入量を達成している。 特に、日本の住宅用太陽光発電システムの普及施策は11年目を迎え、2004年度の応募申込みは件数ベースで61,407件、発電規模ベースで233,026kWを記録し、初めて60,000件と23万kWを達成した。 1994年から2004年までの11年間の合計は、223,932件、828,143kWとなり、20万件規模の分散型発電システムを通じて、発電能力としては80万kWの発電所を建設したことになる。 この結果、日本は本格的な太陽光発電システム普及の役割を担い、世界を先導している。日本発の太陽光発電システム普及促進の動きは、欧米にも大きな刺激となり、類似プログラムが始動している。特に、ドイツの太陽光発電システム需要は、太陽光発電システムからの電力の買上価格（フィードイン·タリフ）の引き上げにより、日本の年間導入量を初めて上回っている。さらに太陽光発電システム事業の拡大は原材料分野や販売·施工の分野などで、新規産業の育成や雇用創出につながり始め、日独主導による太陽光発電システム導入の動きは世界的な広がりを誘発している。