赤外線サーモグラフィによる鉄筋腐食の簡易診断手法に関する研究

摘要

既往の研究から，RC部材における鉄筋腐食高有無は，コンクリート表面の温度性状に変状を及ぼすことが分かっている。このことから，腐食生成物が存在しない鉄筋上のコンクリート表面温度が既知であれば，実測値との照合により腐食の有無さらにはその程度までもが間接的に評価可能となるわけである。本研究は，種々の鉄筋径，かぶり厚，外気温，初期温度のもとで鉄筋が非腐食な状態におけるコンクリート表面温度性状のデータベース化を行うとともに，その一般式を導出する。そして，実測値との比較によりコンクリート内部の鉄筋腐食の有無および，腐食量を予測可能な評価式の提案も行う。