回転磁界を用いた全方向探傷可能な磁粉探傷試験

摘要

極間法での磁紛探傷試験においては、き裂に対して垂直な方向に磁束を発生させるために、磁化器の方向を変えて複数回の探傷試験を実施することが行われている。これに回転磁界を発生する磁化器を用いると、磁化器の方向を変えることなく、一度の試験で全方向の磁紛探傷試験が可能となる。この回転磁界型磁紛探傷試験においては、3極コイルに位相の120°異なる三相交流電流を印加し、3つの磁極の内側領域に回転磁界を発生させる。この回転磁界型磁紛探傷試験における三次元磁束密度分布をホール素子により計測し、回転磁束密度の空間および時間分布を明らかにした。また、有限要素法を用いた数値解析を行い、強磁性鋼材内部の回転磁束密度分布を明らかにした。さらに、強磁性鋼板にき裂を設けたモデルにより、き裂周辺部における磁束密度分布、漏洩磁束密度を評価した。