次世代型遠洋まぐろはえ縄漁船の開発－平成16年度～平成18年度3ヵ年の研究成果

摘要

長年にわたる不漁下の魚価安という厳しい経営環境におかれてきた遠洋まぐろはえ縄漁業は、昨今の燃油価格高騰に追討ちをかけられている状況にあり、漁労コストの低減および生産主体である漁船の合理化が急務の課題となっている。 しかし、あらゆるコストの削減に徹底的に取組hできた遠洋まぐろはえ縄漁業は、すでに限界近くまでコスト削減が図られているものと考えられる。また、平均船齢15.8年を数えるなかで漁船の更新（代船建造）が思うに任せない現状は、日本の遠洋まぐろはえ縄漁業が衰退の一途をたどり、近い将来に消滅してしまう可能性すらあると言わざるをえない。かかる状況を打破し、遠洋まぐろはえ縄漁業の再生を図ることを目的として、省エネにより漁労コストのさらなる削減を達成するとともに漁獲物の付加価値向上により生産性を高め、なおかつ、漁労作業の安全性および船内居住性を向上させた新たな漁船像の創出を目指すものである。