プログラム設計方法の特性分析の一手法

摘要

ソフトウェア開発における技術継承の点から，プログラム設計方法の同等性や差異性などの特徴を把握することが必要である．ここでは，例題に基づく手法によって，事物基軸型の設計法を中心として特徴の把握を試みる．同一仕様に対して異なる設計方法を適用して作成したプログラムについて構成上の違いをプログラム構造形式化手法を用いて，プログラム構造の上から分析する．この例題には一般性と正当性，分析のしやすさに配慮して，処理形態の異なるリアルタイムとバッチを適定した．二例題の分析の結果，プログラム構造は，規定された処理の並びであるから本来同等であるはずだが，差異があり，これはプログラム設計方法に由来する処理の区切り方による違いであると言える．