単一磁束量子増幅器を用いた超伝導ナノワイヤ単一光子検出器アレイによる光子数検出器

摘要

超伝導ナノワイヤ単一光子検出器（SNSPD）アレイは光子数検出器として用いることができるため、光子源評価等への応用が研究されている。しかし、従来の読み出し方法ではSNSPDの持つ優れた特性を完全に引き出すことは難しい。これまで、我々はこの問題の解決策として、単一磁束量子論理回路による増幅回路を備えたSNSPDアレイ用読み出し回路を提案した。現在までに部分的な動作しか確認することができなかったが、我々はこの原因がグラウンドを分離している構造にあると考え、磁気結合構造を導入した。その結果、2段目までの動作が確認されたが、出力電圧は6.02mVから2.41mVまで低下した。その対策として新たに改良した増幅回路の構成を提案し、シミュレーションによりその有効性を確認した。