技術フォーラム「腐食防食歴史変遷」報告

摘要

腐食防食分野の最近の動向として，高度経済成長時代を支えた多くのベテラン研究者·技術者が少しずつ退役することがあげられる．日本の高度経済成長は「東洋の奇跡」とも呼ばれ，この間GNPは資本主義国家の中で第2位に達した．日本の防食技術もこの間にめざましく発展しており，高度経済成長の牽引役であった重厚長大産業を支えた．その後，軽薄短小（安定成長）の時代を迎え，最近は，経済のグローバル化にともない産業構造やビジネス環境が急速に変化している．そのような情勢の中で，腐食防食技術は，今までの成果を念頭に，将来を見据えた新たな活動を行っていくことが必要となっている．以上の課題を念頭に，昨年の技術フォーラムは，腐食防食技術の歴史変遷「過去·現在を見つめ未来を考える」をキーワードに，11月25日にルーテル市ヶ谷センターで開催された．ベテラン技術者のノウハウを若手に伝承することも，フォーラムの一つの目的とした．参加者は数十名を超え，熱い議論が交わされた．