緩慢な腐食環境下における電気化学ノイズインピーダンス法を用いた鉄鋼の腐食モニタリング

摘要

電気化学ノイズインピーダンス法を用い，緩慢な腐食環境における炭素鋼の腐食モニタリングを行った。 正確な電極インピーダンスを評価するためには，時間および周波数領域の両方において解析に用いるデータが，電位と電流ノイズの間に良い相関を持つことが重要である。 通気および脱気された0.5 M NaCl水溶液中の電気化学ノイズ測定には，3枚の同一材質電極による通常の三電極法が用いられた。 ノイズデータから計算されたインピーダンスを，通常のACインピーダンス法によって測定された結果と比較した。 時間領域での電位と電流ノイズの相関性は相関係数によって計算され，周波数領域でのそれらの相関性はコヒーレンス関数によって計算された。 相関係数とコヒーレンス関数の両方が十分に高いとき，電気化学ノイズによって得られた極めて低い周波数でのインピーダンスはAC測定によって得られた結果と良い一致を示した。 これに基づいて，電気化学ノイズインピーダンスによる腐食モニタリングの測定および計算手順を提案した。 提案された手順により，緩慢な腐食媒質での鉄鋼の腐食速度の連続的なモニタリングを行つた。