クエン酸塩を添加したアルカリ浴からのマグネシウム合金陽極酸化皮膜の皮膜硬さ

摘要

マグネシウムの比重は約1.74Mg/m~3と，実用金属材料中では最も小さく，アルミニウムの約2/3，鉄の約1/4であり，その他に比強風放熱性，振動減衰能，切削性耐くぼみ性および寸法安定性など優れた特性を有し，自動車部品やパソコンおよび携帯電話などの電子機器の筐体などに使用されてきている.しかし，マグネシウムおよびマグネシウム合金は，電気化学的に非常に卑な金属なため腐食しやすく, 一般に防食，装飾, 耐摩耗性, 耐熱性の向上を目的として，化成処理，陽極酸化処理，塗装およびめっきなどの各種表面処理法が行われている. JISに記載されているマグネシウムの主な陽極酸化処理法に,ガルバニック陽極酸化処理（MX5），Caustic陽極酸化処理（MX6），HAE陽極酸化処理（MX11）およびDow17陽極酸化処理（MX12）が挙げられる.一般的に行われている陽極酸化処理はMX5，MX11およびMX12であるが，これらの陽極酸化処理は六価クロムや他の重金属を主成分にしており環境に与える負荷が大きいため，六価クロムや他の重金属を含まない陽極酸化処理としてMX6が挙げられる．