LIB電極に向けたナノポーラスTiO2-TiN複合アノード酸化皮膜への金属酸化物の析出

摘要

近年、Tiアノード酸化により形成されたナノポーラスTiO2は、Li＋挿入虚脱挿入時の作動電位が現行の炭素系材料より高いため、次世代高安全性LIBの負極活物質材料として期待されている。しかし、TiO2は半導体であり、理論放電容量が現行の炭素系材料よりやや低いため、導電性の改善と放電容量の向上が重要な課題となる。本研究では、アノード酸化とアノード電解などを組合せたハイブリッドアノード酸化法を用い、Ti上に新規なTiO2－TiN／X02系複合酸化膜を直接成膜することを試みた。すなわち、硝酸系電解液中でのアノード酸化法により、Tiの酸化と窒化を同時に実現し、導電性のナノポーラスTiO2－TiO－TiN複合皮膜を形成するとともに、電解法により高い電気容量を持つ金属または酸化物のナノ粒子を複合皮膜のナノ細孔中に析出させ、LIB電極材料としての導電性改善と容量向上を図ることを目的とする。