オーステナイト系ステンレス鋼の疲労強度に関する研究（応力比および腐食環境の影響)

摘要

ステンレス鋼は耐久性や美観に優れていることからモニュメント的な構造物に多用されている。従来は主として建築物の内·外装材や設備機器類などに広く利用されてきたが，建築構造材としては，建築基準法で認められていなかったことから構造材としての利用は極めて限られたものであった。しかしながら2000年6月の建築基準法·同施行令の改正により，ステンレス鋼が構造材として初めて施行令に導入され，これと同時に2001年に「ステンレス建築構造設計基準·同解説（第2版）」がステンレス構造建築協会から発行された。本基準はステンレス鋼の構造部材，接合部，骨組等について各種荷重·外力に対する許容耐力や保有水平耐力の計算法を与えている。