太陽光発電システムが導入された交流配電系統における漏電遮断器の動作整定

摘要

筆者らは単結晶や多結晶などの太陽電池セルの種類に注目し，その対地静電容量を実測した。その結果，太陽電池モジュールの種類には無関係で，裏面保護材の違いによる差が確認できた。裏面保護材にはアルミシートとポリエチレンテレフタラート（以下，PET）が用いられているが，アルミシートを用いた太陽電池モジュールの対地静電容量はPETを用いたものと比較し大きくなる傾向があり，その面積と断面高さの関係がある一定値以上であれば，従来の平行板の静電容量を求める式が有効であることを明らかにした。さらに，裏面保護材にアルミシートを用いた太陽電池モジュールの静電容量を算出する式を用いて，対地静電容量を考慮した漏電遮断器の適切な動作整定条件を算出する方法を明らかにし，実際の需要家設備に適用し有効な結果が得られた。