太陽電池はどう発明され,成長し,どうなるか？－研究開発,実用化の苦労はどうだったのか,そして輝くその未来を探る：その8 アモルファスシリコンの発明は液晶ディスプレイに大きな影響を与えた

摘要

本誌Vol.35，No.3-Vol.36，No.3に太陽電池の歴史について述べた．薄膜太陽電池の将来を担うと考えられる水素化アモルファスSi（a-Si:H）が，1975年に英国のスピアらによって研究開発された1976年にアモルファスSi（以降a-Siと記載する）太陽電池が米国のカールソンたちにより発明された．1980年に早くも，新開発の集積型a-Si太陽電池が電卓に搭載されa-Si太陽電池の工業化が実現した．その後，変換効率の向上，製造法の確立がはかられ，電力用a-Si太陽電池が1999年に発売された．本稿では，このa-Siが太陽電池分野ではない，液晶ディスプレイ分野に応用され，液晶ディスプレイの発展に大きく寄与した，その歴史を述べる．