6. エネルギーの有効利用: 6.12 ドレン回収による省エネルギー

摘要

ボイラーで発生する蒸気は負荷機器側で間接加熱の熱源として使用された後もまだ大きなエネルギーを保有している。今回はボイラーシステムとして更なる省エネルギーが可能になるドレン回収について紹介する。水を熱することで最終的に蒸気に代わるが，図1のように水に熱を加えると最初は温度上昇に熱が使われる。このように熱を加えることで温度変化として内部に蓄えられる熱を顕熱と呼ぶ。飽和温度に到達した飽和水は温度が一定のまま，液体から気体への蒸発が起こる。このように温度変化がなく液体から気体に変化するような状態変化を伴う熱を潜熱と呼ぶ。完全に蒸発が完了すると乾き飽和蒸気と呼ばれ，乾き飽和蒸気が持つ比エンタルピ（顕熱＋潜熱）は全熱と呼ばれる。その後さらに加熱を継続すると温度上昇に熱量が使われ過熱蒸気になる。