家電市場での中国製品の流入は限定的

摘要

韓国と中国は1992年に国交を樹立し，昨年10周年を迎えた。 外交関係の歴史は浅いが，両国間の経済関係はこの間に急速に緊密化した。 貿易面を見れば，92年にはわずか63億ドルであった貿易総額は，2002年には411億ドルへと7倍近くに拡大した。 2001年には日本を抜いて第2位の輸出先となるなど，貿易相手国としての重要性が一層高まっている。韓国企業の対中投資も近年急拡大している。 2002年には中国は米国を抜いて対外投資先国·地域として1位となった。 従来，投資先は，山東省や遼寧省といった，地理的に韓国と近くかつ共通言語を話す朝鮮族が多く住む華北·東北地方が中心で，投資の目的は主に委託加工貿易の生産拠点づくりだった。 しかし，90年代半ばからは，投資目的が中国のWTO加盟に対する期待により国内市場での販売や第三国への輸出拠点の設立へ，投資先も上海や広東省など華東，華南地域へと多様化している。 このように，貿易，投資の両面から見ても，韓国経済にとって中国は不可欠な存在となっているが，韓国市場には「メイド·イン·チャイナ」はどの程度流入しているのか。またそれらを国産品と比較した場合，競争力にはどれだけの差があるのだろうか。 ここでは，韓国の主要産業の一つである電気·電子産業に焦点を当て，その実態をみてみる。