日本企業は中韓勢とどう向き合うか

摘要

中南米と東アジアの貿易面での接近ぶりが目立っている。その主因は中国を中心とした資源需要の急増であり，もう一つは東アジアからの工業製品輸出の増大だ。ジェトロの試算によれば，東アジア4カ国·地域（中国·日本·韓国·台湾）の中南米からの輸入額は2009年に976億4,900万ドル，それに対して，東アジア4カ国·地域から中南米向け輸出額は1,160億8,500万ドルと，中南米側の184億3,600万ドルの入超である。品目を見ると，中南米からアジア向け輸出の多くが一次産品であるのに対し，アジアからの輸入品目は電気電子製品，輸送機械関連など工業製品が中心だ。つまり，工業製品分野で日本を含め中国，韓国などの企業の攻勢が強まっているわけだ。