「失われた10年」と経営改革

摘要

「失われた10年」と揶揄（やゆ）された10年が終わり，新しい世紀に入ったその最初の年に，相変わらず日本企業の改革は遅々として進まない。 情報技術(IT)不況やテロに直撃された米国経済のあおりを受けたとはいえ，その遅さの根は，日本自身にある，といっていいだろう。 筆者は，日本企業のトップ経営者の大幅交代，世代交代が必須だと長く主張してきたし，日本の産業の地図の塗り替えが専業統合や経営構造の改革という形で行われて日本国内での重複投資のムダを大幅に削るべきだとも長く主張してきた。 そうした改革を，グローパルスタンダード（世界標準）とか米国型経営への追随という形で行うのではなく，日本型経営の原理は生かした上で，しかし経営の実務を大きく変えるべきだとも主張してきた。