機械的蒸気再圧縮技術(MVR)を用いた水溶性加工液の廃液処理システム

摘要

金属加工を行う工場において，加工液（油）の使用は不可欠であり，効率，安全性，作業現場の環境などの面から，不水溶性よりも水溶性の加工液（クーラント）の使用が増加する傾向にある。しかし，いったh劣化して新液と交換したり，こぼれたりすると廃液となり，その処理は簡単ではない。通常の不水溶性の鉱物油であれば，燃料としてそのまま（夾雑物は除いて）燃焼することもできるが，水溶性油の場合はその水分を除去しなければ焼却処理ができない。そのため，いかに効率よく，低コストで水分と油分に分離するかが大切になる。さらに，低コストであるとともに，分離した水分を再使用（リサイクル）し，その他の油分を主成分とする分離物を燃料として燃焼（リユース）できれば，外部への排水もなくなり，廃棄物の低減ができるので環境面からも望ましい廃液処理方法であると言える。効率が良く，3Rが可能な環境面からも望ましい本システムは，日本国内においても十分有効で適用可能と考えられるので，その概要を紹介する。