2018年上半期の工作機械需給動向と今後の展望

摘要

米国調査会社Gardner Publications，Inc.は，毎年世界の国·地域別工作機械生産額を集計，発表している．切削型と成型型を合わせた広義の工作機械生産額の2017年実績が，2018 年5月に公表された．日本は133.4億ドルで，中国（245.2億ドル）に次ぐ2位につけ，ドイツ（130.0億ドル）が3位と，2005年以降この3ヵ国が主要生産国となっている．なお，2009年に世界一の座を日本が中国に明け渡して以来，中国が世界一の生産国となっている（図1）．日本製工作機械は，高い供給能力に加えて，高精度·高効率性，省エネ·省スペース性等，機能面でも世界最高峰の製品を供給しており，アフターサービス等を含めた総合的な競争力，信頼性の高さは世界一との評価を頂いている．近年は複合加工の進展，Additive Manufacturingとの融合，AIやIoTの導入を推進しており，国内外から一段と高い注目を集めている．