自動車のトライボロジー：エンジン油による低燃費化技術の動向

摘要

地球温暖化防止のため、CO{sub}2排出量の削減が求められており、また、石油資源の有効利用とユーザーへの負担軽減という観点も併せて、近年来、自動車の低燃費化が求められ続けてきている。 京都議定書に基づき改正された省エネ法では、2010年までに1995年比22.8％の国内燃費目標基準値（ガソリン乗用自動車）が掲げられており、自動車メーカー各社は、自動車における燃費低減のための技術改良に取り組hでいる。 エンジン本体の燃費改善方法としては、エンジンの燃焼改善、制御の最適化、軽量化、ポンピング損失の低減、低フリクション化などが挙げられる。その中で、エンジン油の貢献が可能な対象としては、ピストン系、クランク系、動弁系などエンジン各部位の低フリクション化による摩擦損失の低減が挙げられる。本稿では、エンジンハードとの関わりも含めて、エンジン油による低燃費化技術の最新の動向について、解説する。