パーティクルカウンターによる正確な潤滑油·作動油清浄度管理

摘要

油圧システムにおいて、動力の媒体として使用される作動油は、機械設備のメンテナンス性を向上させる非常に優れた流体である一方、コンタミネーションの発生が避けられず、使用している間に必ず劣化してしまうという特徴を持つ。また、油圧システムの故障原因の80～90% がこのコンタミネーションであると言われている。さらに、コンタミネーションが完全に防止されている清浄な潤滑油を使用することで、深溝玉軸受の寿命が計算寿命の20倍になるとの報告がある。この不可避の事象を容易に検出·モニタリングする手段としてパーティクルカウンターが用いられている。パーティクルカウンターによって得られたデータは、機械設備のメンテナンス間隔を確認するために使用される。機械設備の稼働時間に対する潜在的なインパクトや高額な修理費用。そして安全な環境を維持するためにも、信頼できるデータを持つことが重要である。パーティクルカウンターを用いてサンプル測定をする上で、不正確な結果をもたらす一番大きな要因として、不適切なサンプル調製が挙げられる。このことは、広く知られているが、実際にはその重要性が考慮されない場合がある。本稿では、サンプル調製において一般的に気をつけるべき点やサンプル調製の基本手順、最新機種を用いた自動消泡の検証に加え、液体用自動粒子計数器の校正方法についての国際規格「ISO 11171」の変遷を紹介する。