小径CBN砥石による低燃費対応カムプロフィル研削

摘要

近年、環境への意識の高まりから自動車エンジンでは、低燃費化技術への積極的な取組みが進められている。その一つとして、フリクションロス低減の目的から、バルブ駆動をフラットタペットの直動式（すべり接触）から、ローラフォロアを有するローラロツカアーム式（転がり接触）へと移行している。ローラタペットになることで、耐摩耗性と耐ピッチング性が要求されるため、カムシャフト材料は従来のチル鋳鉄から、球状黒鉛鋳鉄に変わってきている。球状黒鉛鋳鉄は、チル鋳鉄に比べ研削時の発熱が大きく、研削熱による加工変質を起しやすい。そこで、研削点での蓄熱を抑制するため、図1に示す接触弧をできる限り小さくして加工する必要がある。加工能率を変えずに接触弧を小さくするためには砥石径を小さくすることが有効である。また、吸気·排気効率向上への対応として、バルブの開口時間面積を拡大するため、凹形のカム形状が必要とされている。カムプロフィル研削は、図2のように、砥石台送りと主軸回転を同時制御して加工するが、凹カム形状を作るためには、カム曲率よりさらに小径の砥石で研削する必要がある。