超高出力レーザーの展望

摘要

2010年はメイマンが最初にルビーレーザーを発振させてから50年目の記念の年である（図1）。レーザー発振に成功すると，すぐにレーザー光の高強度性を実感させる出来事が起こった。レーザーパルスを凸レンズで集光すると，電圧をかけてもいないのに空気の絶縁破壊が起こってスパークが発生したのである。空気分子がイオン化され，発生した電子は強力なレーザー光の電界で加速され，分子に衝突して電子雪崩を発生して絶縁破壊に至ったもので，高強度な光が生み出す新しい現象の最初であった。