（2）鉛複合耐震補強材の建築構造への適用に関する研究

摘要

近年，国内各地で発生している規模の大きい地震により多くの建物被害が報告されているが，1981年の新耐震設計基準（建築基準法施行令大改正）以前に建築され耐震性に劣ると思われる不適格建物が1000万棟以上，耐震補強を実施されずに現存している。今後，発生が懸念されている東南海地震などの巨大地震に備え，これら建物に対する耐震補強などの対策実施は緊急な課題と言えるくまた，′阪神淡路震災後，免震，制震などが注目され，耐震補強も含め，多くの既存及び新設の建物に採用され始めている。これら耐震材料の一つとして鉛プラグ挿入積層ゴム（LRB）や鉛ダンパーなどが免震建築用の減衰材（ダンパー）として使用されており，関連業界では鉛の持つ優れた減衰性能は注目されている。