酸化テルビウムの価格高騰をどう判断するか--中国·江西省韓州人民政府による'南方希土集団化'実現か

摘要

今年2月以降急上昇した中国産酸化テルビウムの価格は，目下小康状態にあるが，10月以降に再び上昇する可能性があるともいわれている。 従来の蛍光体向け用途に加えて，NdFeB系磁石合金への漆加が本格化した酸化テルビウムは，年初の120ドル/Kg程度から6月には550ドルまで高騰した。 ただ実際の取引価格は5月の470ドルがピークであったとされ，中国側オファー価格が独り歩きすることが多い。 今回の高騰の切っ掛けは，中国系商社による買い占めであった。 その背後には，中国で急速に普及した電動自転車用モーター磁石に，テルビウムが添加され始めたことがあった。 日本でも磁石合金への添加が増えるとあって，供給タイト問題も浮上した。