ローウォールの安定解析インドネシア，カリマンタン島南部Gatotkaca石炭露天採掘鉱山（PT Arutmin Indonesia Satui Mine）でのケーススタディー

摘要

Gatulaiman Pitはカリマンタン島南部Satuiに位置するPT Arutmin Indonesia（PT Al）社所有の鉱山操業エリアの一部である。鉱山操業中，このピットのローウォール側で大規模な崩落が発生した。崩落の状況は，ブロック28～30の3ブロック全てにおよび，ローウォール頂部に設置されていた主要運搬走路も被害を被った。この走路は，鉱山北部からMuara Portにある貯鉱場への石炭運搬に使用されており，今回の崩落による鉱山操業の停止を回避する為，新しい迂回走路が造成された。この迂回走路は，ローウォール頂部の旧走路近傍に設置されたことから，地質学的な検討を行いローウォールの安定性を確認することが重要であった。調査の結果，崩落はローウォール頂部に出現した断層が引き金となり，層理面に沿って滑り落ちたことが明らかとなった。斜面安定解析では，崩壊物の物性値を逆解析によって取得し，石炭運搬走路の力学的負荷を考慮し，新たなローウォール斜面の設計を行った。