日本産緑茶と中国産緑茶の成分比較

摘要

日本国内で生産した緑茶を海外に輸出しょうとする動きが高まっており、昭和の末期には5億円を下回っていた茶の輸出額が、近年ではloo億円を超えるまでに拡大しています。日本からの輸出する茶の大半を占めるのは緑茶ですが、その輸出量は国際的にみれば世界各国の緑茶輸出量化万トン弱のうち、日本産は4千トンとわずか1%を占めるに過ぎませh。また、世界の緑茶生産量は、2005年にはloo万トン以下でしたが、2CJ15年には170万トンヘと急増しつつあります。こうした世界的な需要拡大の背景には、緑茶摂取による健康効果への期待感があるものと考えられます。しかしながら、緑茶の機能性に関する知見の多くはェピガロカテキンガレ— ，Tなどカテキン類に関するものです。世界の人々がカテキン類やそれに基づく抗酸化能の高さなどを基準に緑茶を選択するとすれば、元々カテキン類の含有量が高い紅茶用品種を用い、人件費も日本より安い国で生産される緑茶には、日本産緑茶は全く太刀打ちできませh。日本産緑茶の国際市場拡大には、日本のお茶のおいしさを世界に向けて正しく伝えていく必要があります。緑茶の最大生産国である中国は、緑茶生産量は150万トン、輸出量も^万トン弱と、数量において日本産緑茶をはるかに凌駕しているので、今後日本産緑茶の海外販売を展開するには、中国産の茶を意識しながら、日本産緑茶の特徴を適切にアビ—ルしていく必要があります。残念ながら、世界の緑茶との比較に基づいて日本産緑茶の特徴を科学的に明らかにした報告は多くないので、きわめてプリミティブな結果ではありますが、日本産と中国産の緑茶成分を比較した結果を紹介したいと思います。