夏茶の付加価値向上のための新しい生葉低温管理技術-

摘要

国内における夏茶(ニニ二番茶)の生産量は全体の約4割を占め、一番茶と同程度であります。しかし、夏茶は一番茶に比べ、従来の基準では品質が劣り、投下労力の割に低価格で取引されており収益性が低くなつています。一方で、日光を十分あびた夏茶は、抗酸化、抗突然変異、抗ガン作用などの機能性成分として世界的に注目されるカテキンの含量が一番茶に比べ約1.5倍と多いことがわかっています。近年、摘採後の生葉を低温下で保管することで、製造された茶の色、味、香りなどの品質を改善できることが明らかになってきました。これらの技術を体系化し品質の優れる夏茶が生産できれば、付加価値により収益性の向上が見込まれ、農家経営の安定に繁がります。また、香りに特徴のある嗜好性の高い新商品開発など、多様化した消費者二—ズに応えることで需要の拡大が国内外で期待されます。