「フ一ドバレ—とかち」における農食産業連環ビジネスの展開

摘要

食感性工学は、社会に貢献する研究テ—マの一つとして、消費者の食嗜好や購買意欲などの心理分析を起点とする方法論を「農食産業」に適用して、高収益、つまり、儲かる産業へと変革を図る「ビジネスモデル」を創出することを掲げている。また、このような構想の具体策を練るために、長年にわたり国内外で現地調査を実践してきたが、本稿では、北海道十勝地域、特に、「フ—ドバレーとかち」において「食-エネルギ—-環境」連環事業が展開されている事例を紹介する。このプロジェクトの活力は、市民.民間事業者のアイデアと実行力を行政や地域市民が支援し、「地域社会システム」の構成員としても積極的に参画している実態にあると考えられる。このような事業が活性化するに至った「ビジネスモデル」創出の戦略的考え方は、緑茶産業にもブレ—クスル—をもたらす考え方としても貴重であると考えてこの調査事例を選択した。このプロジェクトでは、上j?Jした連環事業が「核」となって十勝全域に展開され、未来型農食産業のビジネスモデルとしてクロ—ズアップされている。本稿が緑茶産業へ変革をもたらすビジネスモデルとして、緑茶の生産から海外市場獲得を目指す緑茶関連事業者にノべーシヨンをもたらす契機となれば幸いである。