「煎茶小述」第八回

摘要

山本山五代嘉兵衛が著した江戸時代後期の煎茶の書『煎茶小述』(一八三五年)を読み進めています。この五代目は家業だけでなく、茶業全般の振興に力を尽くした傑物として知られています。煎茶文化を庶民に浸透させた功績や、この時代から諸国名産地での自園経営をはじめていたこと、永谷宗円の茶を認め販売したこと、そして狭山茶を復興した人物でもありました。江戸後期、狭山の茶を評価し「宇治にも劣らず」と栽培を応援し、売り出した人物が彼だったということで、狭山茶の恩人とも呼ばれています。