秋冬期の高気温による一番茶新芽数の減少-沖繩, 静岡地域連絡試験の結果から-

摘要

はじめに亜熱帯地域に属する沖繩地方は、わが国の茶産地の中でも特異的な気象条件下にあり、年間の平均気温が22.6摄氏度で秋冬期(11月-2月)の平均気温も16摄氏度を下回らず(1971-2010年平均値：沖繩気象台名護観測地)、降霜がありませh。そのため茶樹の生育も大きく異なり、沖繩では温暖な気候を利用した一番茶の早期摘採が可能です。しかしその一方で一番茶の低収量という恒常的な問題を抱えています。そこで、沖繩の一番茶低収量を引き起こしている原因として「秋冬期の高気温」に着目して試験を行いました。気温以外にも整枝や施肥等の栽培管理や土壌条件、品種等の影響も考えられますので、気温以外の諸条件の影響を最小限にとどめるため、試験には同一条件で栽培した鉢植え茶樹を各試験に振り分けて比較を行いました。秋冬期の高気温が一番茶に及ぼす影響は、気温が異なる2地域(沖繩、静岡)と人為的に気温条件を変えた2条件(露地、ハウス)で比較し評しました。