ヤマノイモ属植物を食害するヤマノイモコガ類の発生実態

摘要

2001～2003年にかけ青森県内の主要ナガイモ産地である19市町村から採集したヤマノイモコガ類の交尾器形状を調査した。その結果，ナガイモおよびツクネイモの加害種はナガイモコガであった．一方，圃場周辺の山野に自生するオニドコロの加害種はヤマノイモコガが主であったが，茎葉および帝果からはトコロミコガも確認された．また，ジネンジョからナガイモコガが1個体確認された．ナガイモコガとヤマノイモコガは，前遡後線の白色三角紋，前建前縁の白条線紋，前麹頂部の外縁湾曲並びに湾曲部白条紋の観察結果と寄生植物により識別可能と考えられ特に前麹後縁の白色三角紋に明瞭な差異が認められた．