成分構成比の異なるフェロモン剤によるァカスジカスミカメの 誘殺消長：水田と牧草地における比較調査から

摘要

斑点米カメムシの主要種であるァカスジカスミカメStenotus rubrovittatus (カメムシ目：カスミカメムシ科） については，雌が雄を誘引する性フヱロモン成分が同定 され（8),そのうち主要3成分であるHexyl butyrate, (E) -2-Hexenyl butyrate, (E) -4-Oxo-2-hexenal(9)を 用いて製剤が開発されてきた.フェロモン製剤はこれまで開発過程において3製剤（(a)ゴム型製剤:Halo-butyl isoprene灰色ゴムキャップ（外径8 mm)を担体として 上記3成分をそれぞれ5:1:10で浸漬した製剤（合成フヱ ロモン64〃gをへキサン溶液100〃 1に調整して浸漬， 実際の放出量は5:1:0.3), (b)旧製剤：ポリエチレンチューブを担体として3成分を5:1:1に調整した製剤（合成 フェロモン87.5"gをドデシルアセテート（有機溶媒） でl00mgに希釈して封入），（c)新製剤：ポリエチレン チューブで3成分の構成比が5:1:10の製剤（合成フエ口 モン200mugをドデシルァセテ一トでlOOmgに希釈して 封入)）が試作された.ゴム型製剤は暴露後21日で誘引 活性の低下が見られた（9)ため，1ヶ月の誘引活性が あるポリエチレンチューブが担体に用いられた（10). また，誘引力強化のため成分比を変更した新製剤ではィ ネ科雑草地において旧製剤の2倍近い誘引力があること が示された（10).