合成ビレスロイド系水面施用剤のイネドロオイムシに対する散布適期

摘要

合成ビレスロイド系水面施用剤のイネドロオイムシに対する散布適期について，シクロプロトリンのパック製剤を用いて検討した。 その結果，越冬後成虫の侵入最盛期から，産卵最盛期までのほぼ2週間の間であれば，実用的な防除効果が得られるものと考えられた。東北地方における本田初期害虫の防除法として，各種粒剤の育苗箱施用法が主流となっているが，移植後の防除法としては合成ビレスロイド系粒剤の水面施用法や水面展開性油剤の普及率が高い。 同系統の薬剤は，水溶性の袋や容器に封入されたものが開発され，畦畔から水田内に一定個数を投げ込むことで薬剤成分を水田全体に拡散させることができる。 使用が簡便なことに加えて，予防的な育苗箱施用法と異なり，当年の発生量を確認しながら使用できる利点がある。