最新ASPサービスとサービスレベルアグリーメント(SLA)

摘要

三菱電機情報ネットワーク㈱（MIND），三菱電機インフォメーションシステムズ㈱（MDIS），三菱電機インフォメーションテクノロジー㈱（MDIT）などの三菱電機グループ会社は，インターネットを利用した法人向けの各種ASP (Application Service Provider)サービスを提供している。 本稿では，具体的な事例から，ASPサービス提供をする上でのSLA (Service Level Agreement)策定例を，総務省の「公共ITにおけるアウトソーシングに関するガイドライン」作成に携わった観点から紹介する。 MINDでは，2002 年度，三菱電機グループ向けを中心とした統合ポータルサービスに，PKI (Public Key Infrastructure)による認証，リバースプロキシの冗長化，LDAP (Lightweight Directory Access Protocol）ディレクトリ経由のアクセス一元化及びシングルサインオンなどのセキュリティ機能強化を実現した。 セキュリティポータルとしては，日本でも他に類を見ない安全性と信頼性をインターネットサービス環境で提供している。 最近では，ファイアウォールでは防ぎきれないHTTP (Hyper Text Transfer Protocol)やSMTP (Simple Mail Transfer Protocol)経由の侵入監視及び撃退を行うIDP (Intruder Detection Prevention)装置と連携，更に強固なサービスも予定している。 MDISの事例としては，地図情報と土地登記情報を細み合わせた"不動産担保評価GIS (Geographical Information System)システム"のセキュリティ及びカスタマーサポートへのSLA対応を紹介する。 MDITの事例としては，保険薬局の業務効率化提供のための"調剤Melphin"におけるセキュリティレイヤを中心としたSLAの対応と，コンシューマ向けの"EC (Electronic Commerce）サービス"及び環境行政に基づく"情報機器リサイクル管理システム"の運用·稼働における実例を紹介する。