静電誘導給電法を用いた微細電解加工の研究

摘要

これまで，静電誘導給電法の適用は微細放電加工にのみ行われていたが，これを電解加工に応用した場合，短パルスの電流が容易に得られることが期待できる．また，電解加工においても高速回転する工具電極への非接触給電が可能となるので，極間において生成される電解生成物や気泡の排出が促進され，加工速度や加工精度の向上が期待できる．さらに，本加工法は原理的に両極性の電流が流れるため，従来の単極性の場合よりも加工速度を向上できる可能性がある．そこで本研究では，静電誘導給電法を用いた微細電解加工を行った．これまでの研究では，ファンクションジェネレータからの出力を市販のバイポーラ電源で増幅したものをパルス電源として用いていたが，周波数特性の限界により得られるパルス幅に限界があった．そこで，新たにパルス電源を製作し，更なるパルス幅の短縮を試みた結果について述べる．また，加工中の極間距離の制御を行うために，主軸の送りの制御装置を製作し，加工を行った結果について述べる．