DNA親子鑑定技術を用いた ヒラメ逆位個体の発生要因の推定

摘要

種苗生産場で生じたヒラメの逆位個体について，マイクロサテライトDNAマーカーを用いた遺伝的多様 度の解析およびDNA親子鑑定により，発生要因の推 定を行った。種苗生産には17個体の親魚を用い，96日 齢時に正常個体52個体と逆位個体49個体を得た。へテ 口接合体（観察値，期待値，観察値/期待値）および ァリル頻度において，正常個体群と逆位個体群で違い は見られなかった。マイクロサテライトマ一力一座の 多型により全ての親子関係を判別できた。親子鑑定の 結果から，正常個体は7個体のメス親魚と5個体のォ ス親魚からなる14組から生じていることが分かり，ま た逆位個体は7個体のメス親魚と7個体のォス親魚か らなる18組から生じていることが分かつた。1個体の メス親魚は他の親魚よりも高い割合で逆位個体を産h でいることがわかった。以上の結果から，本異常の発 生要因は後天的な影響が強いものの，一部のメス親魚 は遺伝的もしくは他の母性要因により逆位個体を産生 していること力s示唆された。