4．下水処理水の沿岸海況と海洋生物の影響に関わるモニタリング

摘要

相模川の水質保全と流域住民の生活環境の改善を図るため，相模川流域下水道が整備されてきた．2000年11月に全ての流域幹線が完成し，2006年3月の相模川流域の下水道人口普及率は92％に達している．下水道の普及は水道水源の水質保全に大きく貢献するとともに，多くの県民が衛生的な生活を享受することを可能にした．この終末下水道処理水は，一つは1973年以降，平塚市四之宵の処理場（以下，「右岸処理場」という）から相模川（河口から約4km上流）へ，またもう一つは1977年以降，茅ヶ崎市柳島の処理場（以下，「左岸処理場」という）から直接海域へそれぞれ放流されている．両処理場へ流人する汚水は，今後の下水道の整備に応じてさらに流入量の増加が見込まれている．