泥炭土壌における鉄分流出抑制に有効な暗渠排水疎水材の検討

摘要

天塩川下流域では古くから厚岸の牡蠣，十勝の鮒とならび蝦夷の三経といわれた天塩のヤマトシジミが生息しているが，近年，貝殻に赤サビが付着したものが増える傾向にある。 これは，自然環境や生息地の周辺環境の変化に伴うものと推測される。 そのメカニズムは解明されてはいないがその原因の一つとして，泥炭土壌からの排水に含まれる鉄分の一種である溶解性二価鉄による影響が考えられている。 このため，泥炭農地における機能回復を目的とした国営総合農地防災事業富士見地区においては，下流域の環境に配慮じた整備に積極的に取り組むこととしている。