《シり鵬ズ　バイオマスをめぐる農林水産関連の研究戦略－⑥》: 堆肥化技術と成分調整成型堆肥

摘要

畜産経営の規模拡大や糞尿の偏在化等から、家畜糞尿の過剰施用に起因した水質汚染や作物の品質劣化が問題となっている。 畜産農家は自己圃場に糞尿を適正に施用し、余剰分を耕種農家側に利用してもらう必要がある。家畜糞尿は水分を多く含み重いため広域流通を図るには、肥料効果を高め減量化も可能な堆肥化が基本的な処理利用技術である。 法律の施行により家畜糞尿が適正に管理され堆肥生産が拡大したのに伴い、堆肥利用を促進し流通拡大を図ることが求められている。これには堆肥化技術のポイントを押さえて効率的に堆肥化を行い、低コストで耕種農家が欲しがるような品質の堆肥生産を行うことが重要である。 堆肥化の目的は、①家畜糞を取り扱い易いものにする．②土壌￠作物に対して安全な物にする．③土壌作物に対して有効である物にする。である。しかし、耕種農家では化学肥料主体の栽培が多く堆肥利用量が減少しており、耕畜連携を推進し堆肥の利用拡大を図る必要がある。新種農家が堆肥を利用しない主な理由は、①化学肥料と違い肥料の効き方が異なり栽培管理がやりにくい、②コストがかかる、③労力がかかる、機械散布の手段がない等である。 これらに対して畜産側は品質の高い堆肥生産と共に、土壌分析センター等に分析を依頼し堆肥成分を耕種農家に示すこと、堆肥散布システム作り等の自己努力も必要である。