2頭の候補種雄牛由来の体細胞クローン牛とその問技検定息牛における発育成績，枝肉成績のばらつきの程度に関する比較検謝

摘要

間接検定候補種雄牛2頭の皮膚細胞由来の体細胞クローン（体CL）牛とその間接検定調査牛（間検息牛）について，各群における発育成績，枝肉格付成績および画像解析結果についてそのばらつきの程度を比較し，体CL検定の精度を検証した。 肥育終了時体重の密教係数（CV）は，種雄牛Aでは体CL群が3．6％，間検息牛群が7．6％，種雄牛Bでは体CL群が2.5％間換曽牛群が8.9％となり，種雄牛A，Bともに間検息牛群の方が2倍以上高いCVとなった。 肥育終了時の体高および1日増体量（DG）も同様に間検息牛群の方が2倍以上高いCVとなった。 枝肉格付成績において，体CL群の胸最長筋面積については種雄牛Aでは13．0％と高くなり間検息牛群の15．5％と差がばとhど認められなかった0皮下脂肪の厚さにおいては種雄牛Bでは15．7％となり間検息牛群の10．6％よりも高い値となった0また，歩留基準値については種雄牛Aでは1.7％となり，間検息牛群の1．3％より高い値となった。 B.M.S.No.は種雄牛A，Bともに日格協格付，全和方式格付いずれにおいても間検息牛群の方が2倍以上高いCVとなった。 画像解析結果について，種雄牛Aの体CL群における胸最長筋の脂肪面積割合のCVは2．8％となり，間検息牛群の18.4％より極めて小さくなった。また，脂肪交雑粒子のあらさについて，最大粒子のあらさでは両群に大差はなかったのに対し，単位面積当たりの小ザシ数では間検息牛群のCVは体CL群より3．1倍高い値となった。 種雄牛A，Bともにほとhどの調査項目で体CL群の方が低いCVとなり，さらに体CL群のCVに対する間検息牛群のCVの比率（ばらつき比）についても，胸最長筋面積，皮下脂肪の厚さおよび歩留基準値を除き種雄牛A，Bともにほとhどの調査項目で2.0以上の値を示し，体CL群は間検息寮欝と比べ個体間のばらつきが小さいことが明らかとなった。 体CL検定は，その値によっては間検より少ない頭数で同等の正確度，高い遺伝的改良量が得られ，調査種雄牛の産肉能力を早期に判定する上で有効な手段である可能性が示唆された。